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金融系企業が顧客第一を実現するにはコンテンツが必要だ

より深い関係を築くこと。顧客を第一に考えること。顧客中心になること。

これらのテーマは現代のマーケティング担当者にとって最優先課題です。

しかし、規制が非常に厳しく、なおかつ何千ものファイナンシャルアドバイザー・ブローカー・保険代理店を通じて商品を販売しなければならない業界では、どのようにして顧客中心の体験を生み出せばいいのでしょうか?

大手テクノロジー企業や金融サービス企業のマーケティング担当者は、サンフランシスコで開催されたHearsay Summitで、「アドバイザークラウドカンバセーション」というテーマの議論を行いました。(Hearsayは、コンプライアンスを維持しながら顧客との関係を構築するうえでファイナンシャルアドバイザー・代理店・ブローカーディーラーを支援するデジタルツールを提供している素晴らしい企業です。Hearsayのツールを使用すると、American Family Insuranceの代理店は、規制を守りつつ、ソーシャルメディアを通じて顧客と直接連絡を取ることができます。また、Prudential Financialの代理店も、コンプライアンスに則ったテキストメッセージを通じて顧客とコミュニケーションを取ることができます。)

この記事では、金融企業が焦点を合わせている重要なテーマをいくつか取り上げて紹介しましょう。

 

顧客エンゲージメントは頻度がすべて

Strativityによると、「ロイヤルティとアドボカシーの構築を左右するのはインタラクションの頻度です。毎日インタラクションしていれば87%の人が忠実な顧客になりますが、これが毎週になると64%、毎月になると49%、年に数回になると33%という数字になります」。

私たちは、意義深いインタラクションがロイヤルティとビジネスを高めてくれることを認識しています。問題は、顧客との意義深いエンゲージメントの機会をいかにして最大化できるかということです。

Morgan Stanley Wealth Managementのマネージングディレクター兼デジタルマーケティング責任者であるMatt Dunn氏は、「適切なコンテンツを適切なチャネルを通じて適切なタイミングで顧客に提供する」という考えにもとづき、全体的なデジタルトランスフォーメーションを構築しています。

「顧客とエンゲージすればするほど、成果が向上します」と彼は言います。

Dunn氏によると、新規顧客の獲得、顧客維持、アドバイザーの紹介、NPSスコアの向上など、叶えたい目標が何であれ、顧客と積極的にエンゲージすることですべての目標を改善することができます。

 

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Morgan Stanley Wealth Managementのマネージングディレクター兼デジタルマーケティング責任者、Matt Dunn

貴重な関係は世代を超える

New York Lifeのデジタルマーケティング&プラットフォーム担当バイスプレジデントであるJustina Cho氏は、頻繁に顧客とエンゲージすることについて同じような見解を示しました。

 

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New York Lifeのデジタルマーケティング&プラットフォーム担当バイスプレジデント、Justina Cho

 

Cho氏は、New York Lifeの1万2,000人のアドバイザーが「ビジネスの要」だと話しました。New York Lifeが成功するためには、その代理店が成功する必要があります。

Cho氏のチームの最終的な目標は、「世代を超えた関係を構築し育成すること」です。

これは非常に有効な目標です。マーケティング担当者は目先の成功を得たり、クオリファイドリードを獲得したりしただけで喜んでしまうことが多々あります。

しかし、基本の理念を「世代を超えてロイヤルティを築くこと」にすると、不思議とこうしたリードを獲得できるような気持ちになってくるはずです。

 

New York Lifeは、この目標を達成するために、以下の完結なフレームワークを使用して顧客第一を実現しています。

  • 透明性
  • パーソナライズされた体験
  • リアルタイムのアドバイス
  • 顧客が好むチャネルでのエンゲージメント

 

決断を導く単純なフレームワークを持っておくと、基本理念から外れずに活動することができます。前述しましたが、New York Lifeの基本理念は「世代を超えてロイヤルティを育むこと」でした。

 

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New York Lifeは、顧客をすべての活動の中心に据えています。

顧客は王様だ(ただし、コンテンツは依然として王族だ)

マーケティング担当者の誰もが、ここ2年間で「コンテンツは王様だ」というフレーズを聞いたはずです。

しかし、一部の世界最大手企業の最高幹部に話を聞いたところ、最近では「王様は顧客だ」と捉えられていることが明らかになりました。

誤解しないでほしいのは、コンテンツはこれまで以上に重要だということです。

コンテンツは顧客が望むものです。そのことを念頭に置くと、コンテンツを使用して顧客のイニシアチブをサポートしながら顧客を満足させるために業務を調整することがもっとも効果的であると、マーケティング担当者は理解できるはずです。

Charles Schwabの国際事業開発&特別事業開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるLisa Kidd Hunt氏は、現在の消費者を端的に表した言葉を共有してくれました。

Hunt氏によると、現在の消費者は、「どんなときでも最高の体験を提供してもらうことが平均的な期待値になっている」のです。

 

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Charles Schwabの国際事業開発&特別事業開発担当エグゼクティブバイスプレジデント、Lisa Kidd Hunt

 

その言葉に、私は大きくうなずきました。昔ボストンに行ったとき、Liberty Hotelの部屋を予約しました。空港でちょっとしたトラブルにあい、クタクタになった状態でタクシーを呼び、ホテルに到着するとすぐにチェックインデスクに向かいました。すると、受付係が笑顔で挨拶し、温かい歓迎の言葉を並べ、シャンパンを振る舞ってくれたのです。その体験は予想外でしたが、私がそのとき必要としていたものでした。では、今後宿泊するすべてのホテルで、同じような体験を期待するのは理にかなっているでしょうか? 違いますよね。しかし、最高の体験を提供してもらうことが平均的な期待値になってしまったので(あるいは少なくとも希望するようになってしまったので)、私のホテルに対する期待度は一変してしまったのです。

これと同じ考え方が、金融サービス企業とインタラクションを行う消費者にも当てはまります。ソーシャルメディアにおける単純なインタラクションであろうと、アドバイザーとの昼食であろうと、カスタマーサービスの電話であろうと、地元の銀行支店窓口との会話であろうと、消費者の期待は変わってしまいました。それぞれのインタラクションは、消費者の期待を上回る可能性もありますが、人々を失望させる可能性もあります。なぜなら、それが正当か不当かはさておき、顧客の平均的な期待は最高の体験から形成されるからです。

 

迷ったときは正しいと思うことをする

サミットでもっとも率直な対話が行われたのは、American FamilyのCMOであるTelisa Yancy氏とAmerican FamilyのCIOであるKristin Kirkconnell氏が登壇したときでした。

マーケティングとテクノロジーの関係について議論していた彼女たちは、会議から生まれた貴重なインサイトを共有してくれました。

仕事が忙しかったとき、Kirkconnell氏は帰宅する車の中でYancy氏に電話をかけ、2人が仕事で抱えていた問題について話し合ったそうです。議論が二転三転する中で、2人は最終的なビジネスのテーマに行き着きました。それは、何が起ころうとも、「会社にとっても顧客にとっても正しいことをする」という信条に従って決断を下すということです。

 

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American FamilyのCMO、Telisa Yancy氏・HearsayのCEO、Clara Shih氏・American FamilyのCIO、Kristin Kirkconnell

 

彼女たちは、必ずしもこの決断が簡単でなく、社内で評判が良いものではないことを認めました。しかし、顧客にとって正しいものであれば、そうした決断を下す覚悟を持っていると言います。

American Familyの「大胆な夢を見よう」というイニシアチブは、「誰もが夢を持っている。そして、American Familyの夢はあなたの夢の達成を手助けすることだ」と消費者に語りかけてくれます。

 

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最高のマーケティング専門家がユニークで大規模な課題を解決した方法について耳を傾けるのは、非常に刺激的で示唆に富んだ時間でした。このセッションでの一番の学びは、ファイナンシャルアドバイザーは顧客のニーズを第一に考えるようになっており、それを行うには教育が最善の方法だということです。

今年のHearsay Summitでは、エンゲージメントが促進する収益の測定ではなく、エンゲージメント自体に焦点が当てられました。しかし、直に収益の測定にも関心が向くでしょう。ツールが進化を続け、アドバイザーがデジタルファーストかつ顧客第一のマインドセットを採用するにつれて、ROIに関する質問にも答えが出るようになるはずです。

最後に私の予測を紹介します。デジタルファーストを採用すればビジネスの成長につながることをファイナンシャルアドバイザーが学習するようになれば、彼らはオンラインでの存在感を高めるために投資額を増やすでしょう。そうしてその動きは、より優れたコンテンツ、より優れたインサイト、より優れた測定、そして全員にとってより優れたカスタマーエクスペリエンスが実現するに違いありません。

 

Chase NeinkenはNewsCredの金融サービス担当バーティカルリードです。

 

元記事「How Financial Services Companies Use Content to Put Customers First」は2017年6月7日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はNewsCred BlogのChase Neinkenが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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