インスピレーションを与えてくれるコンテンツマーケティングブランド8選

Pyrosky

GE、Amex OPEN Forum、Red Bull、そしてNewsCredの#ThinkContent Awards受賞者など、世界を牽引するコンテンツマーケターに関する記事をあなたはすでにいくつか目にしているかもしれません。コンテンツマーケティングのコードを解読したのは、これらグローバル企業だけでしょうか? いいえ、違います。多くの小規模ブランドが、コンテンツを使用してニッチなオーディエンスを引き付けているのです。

この記事では、8つの優れた事例を紹介します。まだあまり知られていないコンテンツマーケティングのパワーハウスがビジネス成果を促進する革新的方法をどのように見つけ出したのか、一緒に学んでいきましょう。

Tracksmith: コンテンツを1メートルずつ前進させる

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過密化するスポーツシューズのマーケティングレースで明確な道筋を見つけるのは至難の技です。そこで、Tracksmithはエリートランナーにニッチ市場を見出し、専用の季刊誌を発行することにしました。長文記事と驚くほど美しい写真が特徴的なMeterは社内で制作されていますが、商品広告は掲載されていません。

取り組み: Tracksmithは、Runner’s World以外にもランニングコミュニティがメインストリームやフィットネス関連以外でランニングのストーリーを共有するアウトレット(配信場所)を切望していることを知っていました。世界的なブランドであるNikeとReeboksがフィットネスとレクリエーションを推進するのに対し、Tracksmithはハードコアなランナーより少数のオーディエンスにこだわり続けています。2015年に410万ドルにおよぶシリーズAの資金投資を獲得したおかげで、Tracksmithはコミュニティを構築するためにコンテンツに多額の投資をする手段を得ました。

「私たちはスポーツ全体を称賛することが重要だと信じています。コンテンツは、その目的に向かって独立したレンズで実行できる、文化とニュアンスを探求するためのプラットフォームと見なしているのです」と、同社のマーケティングヘッドであるJosh Rowe氏は Medium.comのインタビューで述べています。

結果: Tracksmithの創設者であるMatt Taylorによると、コンテンツは同社が顧客獲得のために一番成功したツールの1つだそうです。

DigitalOcean: クラウドホスティングを分かりやすく説明する

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クラウドホスティングサービスのプロバイダーであるDigitalOceanは、コンテンツを通して見込み客に自社製品を説明しています。

2011年に小さな会社として出発したDigitalOceanは、従来型広告に投資せず、コンテンツ制作にリソースを投入することを決めました。同社は、教育的で魅力的なコンテンツが潜在的なユーザーにより良いサービスを提供し、それによって彼らが購買客に転換すると信じているのです。

取り組み: DigitalOceanは、あらゆるクラウドプラットフォームで作業する開発者に向けて、技術チュートリアル、ハウツーガイド、その他の便利なヒントを含む膨大なライブラリを提供しています。DigitalOceanは、読者のコメントや質問に対して、こまめに対応し、ユーザーが技術ガイドを提出することができ(しかも、 それにより200ドルの報酬を得ることができる)ユーザー生成コンテンツプログラムも備えています。これにより、同社が規模を拡大し、互いに助け合う専門家達の包括的なコミュニティを形成することができました。DigitalOceanのコンテンツチームは、社内のテクニカルライターとインバウンド送信を管理し、フリーランサーの寄稿者と連携する編集チームで構成されています。

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結果: DigitalOceanがコミュニティコンテンツが新規のサインアップとブランド認知を拡大するまで、それほど時間はかかりませんでした。

DigitalOceanのCMOであるMitch Wainerは、Wiredのインタビューで次のように述べています。「今日、弊社ではコミュニティプラットフォームを通じて毎月300万人を超えるユニークユーザーを獲得しており、そのトラフィックの大部分をチュートリアルが推進しています。ROIの観点では、経済的側面に深入りすることなく、ビジネスに健全な利益がもたらされています」

Groove HQ: コンテンツを通して崖っぷちから復活する

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ヘルプデスクソフトウェアのスタートアップのGrooveは、コンテンツマーケティングを通じてビジネスの拡大に成功しています。

Grooveによるブログのミッションは次のとおりです。「『aha(あはは)』から『oh shit(なんてこった)』まで、毎月の収益が50万ドルにおよぶあらゆることを共有しています」。

同社は言葉の通りにコンテンツマーケティングを実行してします。GrooveのCEO兼創設者であるAlex Turnbullは、誠実で透明性の高い投稿で同社の成長を記録的しています。Grooveは自社の欠点を把握し、それをそのまま書き記しているのです。そうすることで、同じような奮闘の日々を経験している小規模ビジネスのオーナーを含む、忠実で熱心なオーディエンスを育ててきました。

Grooveは当初、ビジネス上の課題を投稿していませんでした。顧客にリーチするために行った土壇場の努力をきっかけに(それ以降、同社の)課題が戦略に変化を遂げたのです。

取り組み: 2013年の初めに、Grooveは破産寸前まで陥りました。最高のコンテンツマーケティングを試みたにもかかわらず、顧客を引き付けることができなかったのです。しかし、会社を救うために、リーダーたちはコンテンツマーケティングが最善策だと決断し、全力を投入します。

まず、成功を収めているコンテンツマーケターの戦略を2カ月かけて選び、ブログを成長に向けた推進力へと転換させる方法を学びました。次に、オーディエンス調査を顧客開発と同等に見なし、徹底的に取り組みました。

そこで彼らは、顧客がマーケティング、採用、製品開発、スケーリングに関する課題を経験していることに気付いたのです。

「私たちが検索した限り、他企業と同じ課題に取り組み、自分たちがその過程で学んだことすべてを共有している小企業の真のストーリーを配信しているコンテンツパブリッシャーは他に見当たりませんでした」とTurnbullは記しています。

最終的に、Grooveは欠点を含め、自社独自の完全に透明性のあるビジネスジャーニーのすべてを語ることにしたのです。

結果: ブログを再開し、A SaaS Startup’s Journey to $100,000 a Month(月当たり10万ドルを取得するSaaSスタートアップのジャーニー)」を掲載してから24時間以内に、Grooveは1,000名のEメール定期購読者を獲得しました。

今日では、A/Bテストを使用し、メトリックスにガイドを任せ、可能な限り最良の方法でストーリーを提案するというGrooveの増加を続けるコミットメントを通じて、毎月250,000名を超える人々がGrooveのコンテンツを閲読しています。個々の投稿は1,000回以上も共有され、今では、Grooveの顧客数は5,000にのぼり、当初の目標である月間収益である50万ドル近くを生み出しています。

Huckberry: とあるコンテンツマーケティングのアドベンチャー

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HuckberryのウェブサイトとEメールによるニュースレターは、「equal parts store, magazine, and inspiration(公平なパーツ・ストア、マガジン、インスピレーション)」と同社が呼ぶにふさわしいものです。スクロールすると、厳選された衣類や冒険用品、ブランドの価値観に沿った高品質なコンテンツ、美しい自然の写真が目に映り混みます。そしてそれは、売られている印象を受けることがありません。

取り組み: 成功しているコンテンツマーケターのように、Huckberryのコンテンツはアパレルラインの枠を超えています。同ブランドは、コンテンツハブのHuckberry Journalを通じて、ライフスタイルと興味を捉えたユニークな体験を顧客に提供しています。Huckberryは、自然の美しさ、旅行という冒険、そしてハイキング後にぴったりなレシピに至るまで、さまざまなストーリーを語っています。Huckberryの商品は目立たないように、写真の中でひっそり登場することもあります。

さらに、Huckberryは、冒険物語、写真、お気に入りの商品をHuckberry.comで共有する「ambassadors(アンバサダー)」コミュニティを育成しています。すべてのアンバサダーがInstagram上に強大なフォロワーを抱えているため、Huckberryがオーディエンスを拡大する重要なチャンネルを提供してくれます。

最近、メイン州まで旅行をして、@nationalparkserviceの100周年記念を祝う記事の取材のために、何人かの親友や@huckberryと一緒にアカディア国立公園を訪問する機会をいただきました。| 私のプロフィールにあるリンクをクリックして、私たちの旅行、オススメの観光スポット、食べ物、ハイキング・トレイルに関する記事をご確認ください。

Mikey DeTemple(@mikeydetemple)が2016年10月27日3:48pm PDTに投稿した写真

Huckberryは時折、同社のニュースレターで他社ブランドを特集し、読者を他者ブランドのサイトへと誘導しています。

Hubspotは、「Huckberryのプロパティーから顧客を遠ざけることにより、アフィニティマーケティングのかたちで効果的に訴求するプロパティーをHuckberryと結び付けています」と説明しています。

結果: 一流のコンテンツ提供を通じ、Huckberryは同社のコミュニティに100万人を超えるサブスクライバーを抱えています

Intercom: 教育コンテンツの募集

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顧客向けメッセージングプラットフォームのIntercomは、同社のブログ・Inside Intercomを介して適切なコミュニケーションをオーディエンスに送信しています。

マネージングエディターのJohn Collinsは、「有用で関連性のあるコンテンツをサイトに引き寄せるだけ」と説明しています。Intercomは、読者に役立つ知識ベースを構築するために、有効期間が長いコンテンツに投資しています。

取り組み: Intercomのコンテンツ文化は、組織の多くのメンバーが同サイトにストーリーを寄稿しています。

「当社は全社員が自分たちの学んだことをユーザーに直接共有する重要性を全面的に信じています」と、CollinsはMedium.comで語っていました。

これは、CEOのEoghan McCabeから配下の社員まで、Intercomの従業員はソートリーダーシップと知識を共有することが奨励されているためです。

Intercomは毎週新しいコンテンツをいくつか公開していますが、関連性がある過去の投稿の活用にも注力しています。Inside Intercomにはそれが実行できるモジュールがあるため、サイトを訪問中の読者を惹きつけ、情報を提供し続けています。

結果: CollinsがZapierで語ったように、アーカイブされた高品質の記事を最前線に戻すようになってから、「セッションごとにアクセスされたページ数で測定すると、読者のエンゲージメントが大幅に急増していました」。

Hubspotは、Intercomによる一連のジョブに焦点を当てたランディングページのコンバージョン率は約5%で、同社のトップオブファネルにおけるトラフィックは3倍以上になり、さらに増加し続けていると報告しています。

Loot Crate: 箱の中からコンテンツの成功を取り出す

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あなたのブランドが米国でもっとも急成長したInc.’s annual 5000 list(法人企業の年間5000社リスト)の1位に選ばれたとしたら、取り組みは正しかったと証明できるでしょう。「ゲーマーやマニア向けのサブスクリプションボックス」であるLoot Crateは、既成概念に捉われずに考えることが、同社のファンベースのコマースとコミュニティプラットフォームを世界中で毎月650,000以上のサブスクライバーを獲得するまでに成長させたかを証明しました。

取り組み: Lootersと呼ばれる熱狂的ファンのコミュニティを構築するために、Loot CrateはYouTubeのアンボックス(箱を開く)旋風に飛びつき、サブスクライバーが毎月小包を開く様子を掲載しました。立ち上げ当初は、顧客の写真や動画を頻繁に特集し、評判の拡散に役立つようにソーシャルメディアに依拠しました(現時点でのFacebookのフォロワー数は250万人です)。

成長の過程において、Loot Crateは、ポップカルチャーを讃えるThe Daily Crateで定期的に投稿し、商品デザイナーやコミック/エンターテイメントの伝説的な人物へのインタビュー、時には月別に設定されるボックスのテーマに関連する補足的なガイドを掲載してコンテンツを倍増させました。社内のコンテンツチームは、オリジナルビデオゲーム、コミックブック、動画も作成しており、すべてが箱の中身以上に素晴らしいファン体験を提供するという名目のもとに提供されています。

結果: Loot Crateの世界は、さまざまなタイプのファンに向けられたクレート(木箱)を作成するパートナーシップやコラボレーションによって拡大し続けています。同社の現在の価値は1億1600万ドルです。初期にソーシャルメディアとコンテンツによるアウトリーチで主導した口コミで成長を成し得なかったとしたら、ここまで成長はできなかったでしょう。

First Round: オーディエンスを第一に

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ベンチャーキャピタルのFirst Round Capitalでブランドパブリッシャーを務めるFirst Round Reviewは、スタートアップの創設者やビジネスリーダーといったオーディエンスを獲得してきました。同社のコンテンツ戦略は、創設者の課題に取り組み、経験豊富な幹部から綿密な戦術を共有することです。ブログは「First Round Review」という名称で掲載されていますが、実際には9つのデジタルマガジンで構成されており、製品からエンジニアリング、資金調達まで、ビジネスの成長における一部の側面に重点を置いています。

取り組み: First Roundは、同社の言葉を文字通りに受け取って欲しくないと考えています。代わりに、ClassPassのCMO、Slackの検索部門の責任者Airbnbの製品担当ディレクターを含め、もっとも成功したスタートアップチームのメンバーのインタビューと彼らが直接発したアドバイスを提供しています。

また、「Influencer Bot(インフルエンサーボット)」と名付けられたSlackbotを使用して、コンテンツの拡大を支援しています。

「10,000人を超えるフォロワーを持つオーディエンスのうち、誰かがストーリーを共有またはレビューすると、通知が届いてそのオーディエンスとエンゲージすることを選ぶか、First Roundスタッフが社内でリツイートまたは共有してそのオーディエンスのブランドの拡大を後押しすることができるようになっています」とFirst Roundの元コンテンツ兼マーケティング責任者であるCamille RickettsはEucalyptMedia.comによるインタビューで説明しています。

結果: First Round Reviewは、毎月50万人の読者と10万人のメーリングリストのサブスクライバーからなるコミュニティを有することを誇りにしています。重要なのは、First Round Reviewをその分野で最高の例だと見なしているスタートアップ、ビジネスコミュニティ、コンテンツマーケティング業界の間でブランドの地位を確立したことです。

Deluxe: チェックする価値のある小企業向けコンテンツ

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Deluxeは、中小企業のオーナーで構成される同社のオーディエンスとエンゲージし、単なる「check company(チェック企業)」ではなく中小企業向けのソリューションプロバイダーとして認知されるように、2015年にSmallBusinessRevolution.orgという名の壮大なコンテンツプロジェクトを立ち上げました。

取り組み: 同社は、100周年とコミュニティアウトリーチの一部を記念するSmallBusinessRevolution.orgで、12のミニドキュメンタリー、88のフォトエッセイ、そして完全版のドキュメンタリーを通じて、全国の小企業100社を紹介しました。

勢いを持続させるために、Deluxeはもっとも価値がある小規模な町に500,000ドルを授与する競争シリーズ「Small Business Revolution on Main Street(メインストリートの小規模ビジネス革命)」を導入しました。14,000におよぶ候補の中からインディアナ州のWabashが初のMain Street Makeover(メインストリート再建賞)を獲得。この賞には「Shark Tank」のRobert HerjavecとDeluxe Corporationの幹部とのビジネスメンターシップが含まれていました。現在、シーズン2では、8つの町が準決勝出場候補として選出されています。

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結果: NewsCredが報じたように、最初の1年目に、Small Business Revolutionは11億を超えるメディアインプレッション、500を超えるメディアストーリー、Facebook、Twitter、Instagramにおける重要なソーシャルメディアにおけるフォロワーを獲得しました。

DeluxeのチーフブランドオフィサーであるAmanda Brinkmanは、Deluxeの企業ブログで次のようにまとめています。「ストーリーテリングに賭けることで、Deluxeにおけるエンゲージメント、シェア、ウェブページの訪問者数は、同じ予算をペイドメディアに費やした場合に想定される数値と比較して11倍になりました」。

業界や予算に関係なく、上記のブランド各社が証明したように、コンテンツマーケティングにはビジネスを前進させる力があります。ポイントはすべて、ユニークで、真正で、自社の価値を通してオーディエンスを引きつけることです。そのために、ブランドが提供すべきものは何かを把握してください。ターゲットとする顧客のために埋めることのできる隙間を認識したら、目標到達の半分にまで達したと言えるでしょう。

重要なポイント: 

  • ブランドの価値観に忠実であること: 上記のブランド各社に共通していることの1つは、コアミッション(中核とする使命)から逸脱しない、そして企業が成長した後でも「sell outs(身売り)」状態にならないことです。
  • フィードバックに注意深く耳を傾けること: ソーシャルリスニングを活用し、コメントを確認し、それらをポーリングしてコアな顧客層との調和を維持することは、顧客のニーズと懸念点を最優先していることを証明します。しっかり受け止めて対応をすれば、ブランドへの親近感も強くなるでしょう。
  • 透明性を保つ: 自社ブランドの裏話を正直に語るのであれ、貢献度を共有するのであれ、透明性を保ち、コミュニティを育成してオーディエンスを称賛する(貴社の製品をただ売り込むのではなく)ことこそ、信頼と大勢の忠実なファンを構築することにつながります。
  • コンテンツを共有可能にすること: 価値のあるもの、または単に楽しくて面白いものを提供し、ソーシャルシェアリングを促進することで、上記のブランドはリーチの拡大を実現したのです。

Dawn PapandreaはNewsCredの寄稿者です。

元記事「8 Inspiring Content Marketing Brands You May Not Have Heard of」は2017年2月21日にInsights.newscred.comに掲載されました。

この記事は、NewsCred BlogのDawn Papandreaが執筆し、NewsCredのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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