ABMを成功させる、マーケティング活動のグランドジェスチャー

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グランドジェスチャー(大胆な意思表示、派手なパフォーマンス、サプライズ)は、大半の人にとって日常的な出来事ではありません。

グランドジェスチャーを受けたことがない人や、発信したことがない人に向けて、グランドジェスチャーとは何かを解説します。(もしくは、ポッドキャスト「This American Life」の最新エピソードを聞いてみてください。)

今週は、自分の感情を示すために非常に極端な手段を取る人々のストーリーを紹介します。Carl von Coselは、好きな人が死んでしまったため、墓から彼女の遺体を盗み出し、7年も一緒に生活しました。Elna Bakerは、遠距離恋愛中の彼氏に会いに行くために嘘の口実を作ってアフリカを訪ねました。またIraは、プロム(ダンスパーティー)でのパートナーの誘い方について高校生にインタビューを行いました。© 1995-2017 This American Life

グランドジェスチャーは、「自分の感情を示すための大胆な手段」です。

それがサプライズめいたプロム(アメリカやカナダの高校で学年最後に開かれるフォーマルなダンスパーティ)のお誘いであろうと、飛行機で空に書いたプロポーズの言葉であろうと、(本来はロマンチックな)グランドジェスチャーを受けた人は、通常、真実の愛に涙するか、共感性羞恥を覚えるか、気持ち悪がって弁護士に電話するという3種類のリアクションを見せます。

しかし、そうしたリアクションに関係なく、グランドジェスチャーが創意工夫、献身的な努力、わずかな狂気を示すことは間違いありません。

アカウントベースドマーケティング(ABM)におけるグランドジェスチャー

効果的なマーケティングを実施するうえで、グランドジェスチャーの側面をもう少し活用してみましょう。多くのB2Bマーケティング担当者はアカウントベースドマーケティング(ABM)に軸足を移しているため、少数精鋭のターゲット取引先企業の信頼を勝ち取り、ダイレクトメールのような戦術を模索していく中で、「グランドジェスチャー」という戦略を心に留めておくことは重要です。

時には、大胆なジェスチャーだけが人々の注目を集めることができます。

最近よく聞くマーケティング界の流行語は「パーソナライゼーション」です。先ほどご紹介したポッドキャストでは、Ira Glassが人の感情を揺り動かしたパフォーマンスやサプライズについて話していましたが、私はそのストーリーを聞いて、グランドジェスチャーがパーソナライズされた究極のマーケティング活動であると実感しました。グランドジェスチャーを行えば、何らかの方法で受け手の注意を引き、迅速かつ大幅に成果を上げることができるからです。

あなたが、新しいけど実績がない技術や比較的複雑な技術、あるいは単純かつセクシーではない技術を販売しているB2Bマーケティング担当者だとしましょう。ビジネスを売り込むとき、あなたはターゲット企業のトップが誰かを把握して、その人に興味を持足せる方法を模索するはずです。インターネットを利用すれば、役員の職歴や、そこから生じる経験やバイアスを簡単に把握することができます。

しかし、同様に重要なのは、Twitter、Facebook、Instagramといった様々なプラットフォームで明らかにしている個人的な嗜好です。価値観は、彼らがシェアする業界関連の記事だけでなく、プロフィールや好きな映画、受賞した賞、シェアする画像などの投稿にも宿っています。

気味が悪い? そんなことはありません。私は「オンラインで情報を共有するということは、誰かにその情報を見てもらいたいからだ」と信じています。私と夫の馴れ初めもまさにそうでした。彼はよく私を「Google検索で5ページ目に載っていた女性」と呼びます。

その好例として、T-MobileのCEOであるJohn Legere氏のTwitterプロフィールを見てみましょう。背景画像にバットマン、プロフィール欄に#IamBatmanというハッシュタグが載っていますね。

このわずかな情報だけでも脳外科医にかからなくても、彼がバットマンやコミックが好きだということがわかるでしょう。

John Legere_Twitter.png

ロサンゼルスに拠点を置くコンピュータビジョン会社、GumGumは、Legere氏とその同僚やT-Mobileの代理店の注目を集めたいと思っていました。GumGumのチームは、組織トップの注目を集めることができれば、部下全員がその決定に自然に従うだろうと考えました。

彼らは、T-Mobileのリーダーシップをエンゲージさせ、自社のコンピュータビジョン機能を説明し、GumGumの業界の見解を示すコミックブックを制作することにしました。

彼らは軽い気持ちでこの活動を行ったわけではありません。GumGumは、ストーリーラインを活気づけるために、最高の脚本家、アーティスト、レタリング業者を取り揃えたのです。

GumGumは、最終製品「データの騎士に翻弄されるT-ManとGums the Girl」を印刷し、それをT-Mobileの幹部と代理店に送付して、同じ日にオンラインで公開しました。実際の印刷本が届く前に、Legere氏はGumGumの活動を知り、感銘を受けた彼はGumGumに感謝のツイートをしました。

グランドジェスチャーのタイミング

どのような関係にも当てはまりますが、グランドジェスチャーの成功はタイミングに左右されます。

最近クライアントと話したのは、グランドジェスチャーは、ターゲット企業との最初のタッチポイントか、それとも諦めてしまう前に神頼みで実行するのが最も効果的なのかということです。

きっと、どちらも間違ってはいないでしょう。

ABM活動を続けていると、エンゲージメントがじわじわと向上していきます。売り手がパーソナライゼーション、忍耐、献身性を発揮すれば、次第にエンゲージメントが最高潮に達し、最終的に幹部クラスが対応してくれるかもしれません。

そうは言っても、あなたが販売しているソリューションが顧客の今年度の計画に含まれておらず、どれだけ働きかけても販売できない場合はどうすればいいでしょうか?

このような場合、グランドジェスチャーによって、何らかの形でこの状況を打破できるかもしれません。ちょっとした働きかけや普遍的な行動では不可能です。反応が悪い場合は早いタイミングで却下してもらえるため、より重要なターゲットに重点を置いて駒を進めることができるでしょう。

結果に関係なく、グランドジェスチャーが勝利を収める理由

人生のある時点で、グランドジェスチャーを行った、または派手なサプライズの受けたことがある人は少なくないはずです。

あなたの職歴の中で、振り返ってみてください。グランドジェスチャーを忘れる人はいません。

私の同僚がイベントの招待状を送る際に直径3フィートのクッキーをMartha Stewart氏に届けたことがありますが、10年経った今でも、彼女は目がくらむような興奮とともに、それをまるで昨日のことかのように思い出すそうです。

こうした記憶は、結果にかかわらず、消えることない足跡と永続的な親近感を生み出します。

情熱を前面に出したジェスチャーは、ビジネスを成長させるために必要なリードへの扉を開くだけでなく、考えて実行するのも驚くほど楽しいものです。

ターゲットである受け手があなたの望みを却下したとしても、彼らは間違いなくどこかであなたの話を他人に共有するでしょう。

そして、組織はその経験によって、いつかあなたの事業の他の分野が実を結ぶ、非常にダイナミックなことを思い付くかもしれません。

あなたの会社のスピリット、エネルギー、イノベーションを紹介する際に、そうした資料を提出することができるでしょう。

現在、どの企業でも優れた人材の確保が難しくなっています。クレイジーで独創的なアイデアで常識の枠を超えたという素晴らしい事例があれば、次のグランドジェスチャーを成功させるうえで必要な人材があなたの会社の門を叩くかもしれません。

Kate GundryはPluckの創立者です。

元記事「Marketing’s Grand Gestures: Going Big for ABM Wins」は2017年3月8日にInsights.newscred.comに掲載されました。

この記事はNewsCred BlogのKate Gundryが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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