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ポーラが実践するコンテンツマーケティング -気づきで未来を美しくする「MIRAIBI」-

▼登壇者

株式会社ポーラ|宣伝部部長  大城 敦さま

 

本レポートでは、株式会社ポーラ宣伝部部長、大城 敦氏のセッションをお送りします。ポーラのオウンドメディア「MIRAIBI」の取り組みを例に、潜在層へのアプローチを目的としたコンセプトの考え方、コンテンツマーケティングを成功に導くためのポイントについて、講演していただきました。ぜひご精読ください。

 

◆ ◆ ◆

 

今日は弊社が運用している「MIRAIBI」をベースに、コンテンツマーケティングのお話を進めさせていただきます。

「MIRAIBI」は、ポーラのオウンドメディアです。現代女性に気づきを提供することを目指し、運用しております。以前は美容情報を中心に掲載するオウンドメディアでしたが、2018年12月のリニューアル以降は、以下のように美容情報はほとんど掲載していません。

 

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このセッションでは、リニューアルまでの経緯を中心にお話させていただきます。

 

MIRAIBIの目的・役割

ご存じかと思いますが、ポーラは化粧品会社であり、ターゲットは女性です。ただ化粧品と一口に言っても、多少値段の張る化粧品を取り扱っていますので、それなりに美意識が高く、自己投資を惜しまない方でなければ、商品を手にとっていただくことはできません。弊社では、ターゲット層となる女性たちを「美裕層」と名付け、次のように定義しています。

 

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美裕層の方たちは、美容感度が高く、自分の成長への投資に積極的です。今までの私たちは、商品やサービスにおける美容情報を積極的にお届けするかたちでコミュニケーションをとってきましたが、この方針では、「超えられない利用意向の壁」があることに気づきました。

 

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どれだけ美容の話や商品の話を投げかけても、美裕層のうち、「ポーラの製品を使いたいと思っていただける方」がなかなか40%を超えないのです。利用意向がない、ユーザーにならない潜在層の方たちが一定以上いる。しかし、美容情報という直球のコミュニケーションでは振り向いてくれない。この状況に大きな課題感を持っていました。

では、何を・どのように変えるべきか。そこで、これまでひたすら美容情報のみを発信してきたオウンドメディアの「MIRAIBI」に、新たなミッションを与えようということになりました。「ポーラのプロダクトやサービスへ興味を持っていない潜在層と接触して、興味喚起から顧客化へつなげるためのマーケティング装置」として、「MIRAIBI」を生まれ変わらせようと考えたのです。

 

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MIRAIBIのコンセプト

改めて、「MIRAIBI」をどのようなサイトにしていくか、人格作り、コンセプト設計が始まりました。

まず、ターゲット世代を20~30代のいわゆるミレニアル世代の方たちに据えました。買い物では後悔したくない、賢く選びたい。専門家からの情報は自分のためにキュレーションされていることが大事。企業メッセージを無理やりねじ込んでも響かない、といった思考を持つ世代ですね。

これらを整理してターゲットペルソナを作り、実際に人格をまとわせてみました。

 

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上記は「MIRAIBI」の担当者が作成したものですが、このくらい現実感があるものを作ることで、はじめてみんなでイメージが共有できます。このペルソナ像を元に、「この人たちを振り向かせる記事はどういうものが良いか」と、具体的な話を進めていきました。

次に、ペルソナの興味分野を拾いあげ、インサイトマップを作りました。これらの切り口で作った記事をとっかかりとして、「気づき」を与えていきたい。そして最終的には、ポーラに興味を持ってもらいたいと思ったんですね。

 

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この「気づき」を、どのようにして私たちの事業へつなげるか。そこで一度原点に戻り、「ポーラは会社として何を目指しているか」を考え直しました。ポーラには、100周年に向けて2029年にポーラが自らのありたい姿を明示した「ポーラビジョン」を定めています。

 

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そして、このビジョンを実現するための提供価値として、「Science、Art、Love」を掲げています。弊社ではすべてのコミュニケーションに、「Science、Art、Love」の要素を含めていますので、ここに「気づき」を合わせることで、「気づきで未来を美しくする」という、ひとつの提供価値に行きついたわけです。

ならば、「気づきで未来を美しくする」ことをテーマにオウンドメディアを作ろう。たくさんの好奇心や興味に対してアプローチをしていこう。こうして生まれ変わったのが、「MIRAIBI」です。

検索やSNSから来訪した人たちが、「MIRAIBI」の記事を読むと、ちょっとした気づきを得られる。おもしろいな、別の記事も読んでみようかなと思って読んでみる。中には美容系の記事もありますが、「MIRAIBI」を回遊することで、美容系の記事の中にも「気づき」という共通軸があると気づく。たとえば、「美容っていいね」という気づきから、少しずつポーラに対しての好感度、好意度、商品の利用意向というものが醸成されていくというように。私たちが目指すのはそうした“気づき”のサイクルを作ることです。

 

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MIRAIBIで学んだ、コンテンツマーケティングで大事なこと

ここからは、僕なりに考えたコンテンツマーケティングで大事なことをご紹介したいと思います。

 

  • コンセプトファースト

大事なことは、コンセプトファーストです。徹底してコンセプトにこだわる。「MIRAIBI」の場合は、すべての記事が「未来につながる気づきを提供」できているかどうかです。

  • 質(記事のクオリティ)と量(掲載本数)の追求

限られたリソース(ヒト・モノ・カネ)で、質と量をどう両立させていくのかは悩みどころです。このときに大事なのは、「自分たちの担当領域」を初めに決めることだと思います。

まずは質の担保。担当者が一人で制作できる記事の本数は、月に4~5本です。この記事制作で重要なのは、コンセプトに則っている記事をとにかくしっかり作ること。とはいえ、コンテンツマーケティングとして、最低でも月に10本くらいの記事は掲載したい。そこでアマナさんにご協力いただいて、NewsCredの記事を利用させていただきながら、月に10本という記事量を確保しています。

 

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  • いつも心に目的を

何を目的としてメディアを運用しているのか、いつ、どこでも誰に聞かれても答えられるようにしておきましょう。そうすると、社内の協力や予算が得やすくなります。また、「続ける意味はあるの?」と継続の可否を問われたときに、しっかりと目的を話せると、説得材料になる。そして、目的意識があることで高いモチベーションを持ちながら走り続けることができるのです。

  • 担当者の情熱が9割

なんといっても担当者の情熱。これが成功要因の9割だと思っています。担当者に情熱があると、高いクオリティの記事ができる。どれだけ読まれたか、結果に執着する。自分なりの課題の発見ができる。改善の提案が出てくる。私はこれを「情熱サイクル」と呼んでいます。

 

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MIRAIBIのこれから

5本の記事からスタートした「MIRAIBI」は、8月に記事数100本を超えました。自社オウンドメディアとして達成したかった変化球のコミュニケーションを、きっちり実現できたと思っています。

今後の課題は、できるだけ多くの方に見てもらうことです。世の中の女性から認知を得る、良いコンテンツメディアとして知られる、というところに、本格的にこだわっていきたいと思っています。販売チャネルとも連携しながら、いろんなところへ露出を図っていく。結果として、ポーラへの好意度、利用意向度の継続的な獲得ができたらいいなと思っています。

 

●Text :内藤 貴志
●Photos : 劉 怡嘉

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