ブランドが生きたストーリーを伝えるには 〜ストーリーテリングと戦略に関するインサイト

Ridofranz

どのブランドも素晴らしいストーリーを語ることができますが、コンテンツマーケティングで成功を収めるためにはそれだけでは不十分です。コンテンツマーケティングを有効なものにするためには、戦略、目的、計画が必要だからです。これは、NewsCredのThinkContent New York 2018で最も人気だったパネルのひとつ「ブランドが生きたストーリーを伝えるには 〜ストーリーテリングと戦略に関するインサイト」における包括的なテーマでした。

壇上で話してくれたのは次の方々です。

  • WorkMarketのマーケティング担当バイスプレジデント、Mousa Ackall
  • ClassPassのコンテンツ&コミュニティ担当ディレクター、Cara Friedman氏
  • Awayのメディア責任者、Brooke Sinclair氏
  • SAP Hybrisのコンテンツマーケティング&戦略担当マネージングエディター&コピーライター、Jennifer Vande Zande氏

これらのマーケティング大手企業は、結果を出しながらオーディエンスをエンゲージさせてブランドストーリーを伝えるというインサイダー戦略を共有してくれました。以下より、議論で語られた重要なポイントを紹介します。

コンテンツがカスタマージャーニーのどこに位置するのかを知る

コンテンツは、自社の目的ファネル全体を知らせるための重要なツールだと、ClassPassフィットネスメンバーシッププラットフォームのコンテンツ&コミュニティ担当ディレクターであるCara Friedman氏は言います。しかし、彼らがストーリーテリングの焦点に置いているのは、できるだけ多くの人にClassPassについて紹介することです。「ユーザーは『これは私にとって正しい製品やソリューションなのか?』を判断しようとしています。そのため、私たちのコンテンツは、彼らをゴールラインへと導き、登録者へと転換させるために、彼らの質問ひとつひとつに回答をしています」と彼女は付け加えました。

最近ADPが買収したエンタープライズソフトウェアプラットフォームのWorkMarketでは、コンテンツが自社のB2Bクライアントを教育しているとMousa Ackall氏が述べています。「当社のコンテンツ戦略は、クライアント企業にアジャイルな労働力の利点と将来の仕事のさまざまなトレンドの教育をしながらソートリーダーシップを構築し、リードジェネレーションメカニズムとして長文コンテンツの一部を使用することです」と彼は話します。どの種類のコンテンツを活用するかについてはさまざまな考え方がありますが、コンテンツの価値が高ければ高いほど顧客から情報を求めるべきだとAckall氏は語っています。

WorkMarketは、Warby ParkerやWalgreensといった優良顧客のストーリーを伝えたり、The New York Timesと提携したりすることでメッセージを拡散しています。「リードの生成にコンテンツの一部を同時に使用しつつストーリーを伝えることができれば、両方の機能を果たすことができます」とAckall氏は言います。

コンテンツを公開する際にリスクを負う

大企業がリスクを冒すのは簡単なことではないが非常に大切なことだと述べたのは、SAP HybrisのマネージングエディターであるJennifer Vande Zande氏です。「私たちが持っているソートリーダーシップのサイトでは、リスクを冒しながらも女性エンジニアの支援や平等について、組織で支持されてきた活動を行ってきました。記事は多くのエンゲージメントを獲得し、ピックアップされたり配給されたりしました。「公開ボタンをクリックすることへの恐怖は常にありますが、うまく事が運んでいます」。

彼女からアドバイスです。「オーディエンスを理解し、それがうまくいかないかもしれないという心づもりをしましょう。ただし、自分たちがやっていることを信じることが大切です」。

Awayにとって、印刷雑誌を発行することは大きなリスクでした。「私たちは、必ずしも成功するという確信が持てないまま、大きな投資を行いました」とメディア責任者のBrooke Sinclair氏は話します。「しかし、Awayはチームが計算されたリスクを負うように促すことが得意です。何かを初めて市場に投入する企業には、プレイブックがありません。成功の定義を時間とともに進化させることが重要なのです」。何回でもやり直すことができる文化を奨励することで、チームは快適な環境でリスクを冒すことができると彼女は付け加えました。

Awayのメディア部門は、旅行メディア業界のホワイトスペースを見つけたことから生まれました。「(それまでは)私たちが求めているような旅行のストーリーがどこにもなかったのです。顧客は旅行内容や旅行先のおすすめを求めて当社にリーチしました」とSinclair氏は言います。雑誌への投資はブランドにとって大きな変革となりました。「人々が触れたり感じたりできるものを通して自社のストーリーを伝えることができるのは素晴らしいことです」。

【Awayのコンテンツ戦略の詳細について知りたい方は、Awayの社長兼編集ディレクターのインタビュー記事をご覧ください

また、ClassPassには実験の文化があったとFriedman氏は述べます。「ときには『今は小さなことしかできないが、時間をかけて大きなリスクを冒せば、さらに大きな成果があるのではないか?』と評価する必要があります」。消費者ブログの「The Warm Up」は、スタジオのフィットネスクラスに関する質問に回答するコンテンツによって大成功をしていましたが、さらに、スタジオパートナーを支援してエンゲージさせるチャンスがあることにも気づきました。「スタジオパートナーに向けたリソースがなかったため、私たちはAfter Classブログを作成しました。このブログはB2Bに焦点を当てたもので、事業の経営に関する記事を掲載しています」とFriedman氏は述べています。

データを使用しつつも、ストーリーに人間味を持たせる

現代のコンテンツで最も重要なことは、コンテンツそのものではありません。コンテンツの有効性を確実に測定し評価するための「あまりセクシーではない」基盤となるインフラと根拠が重要であるとAckall氏は語ります。「私たちはSalesforceやMarketoなどを使用して決定を下したり優先順位を付けたりします。『我々は神を信じるが、それ以外のことに関してはデータを持って来い』という格言もあります」と彼は言います。

Vande Zande氏はデータ分析の重要性を認めつつも、自社のメッセージの背後にある“人と人のつながり”を研究しなければならないとも述べました。「より多くのデータが活用されてロボットが台頭したとしても、自社の顧客について知り、彼らと信頼を築き、人間味を失わないことが大切です」と彼女は話しました。

ThinkContent New York 2018の全セッションを視聴したい方は、こちらをクリックしてください。

 

Dawn PapandreaはNewsCredの寄稿者です。

 

元記事「How to Bring Narratives to Life: Insights on Storytelling and Strategy」は2018年11月1日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はNewsCred BlogのDawn Papandreaが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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