マーケティングリーダーが2020年に最優先すべきこと

2019年最後の四半期は、マーケティングリーダーが2020年の予算と戦略を計画し始める時期でもあります。それとともに、脳裏にはいくつかの質問を思い浮かべるのではないでしょうか。マーケティングリーダにとって、もっとも重要なことは? マーケティングテクノロジーへ依存し続けるべき? 横断的なコミュニケーションとマーケティングの統合的なアプローチをすべきだろうか?

私たちはこれらの質問に対する答えを見つけるべく、ストックホルムを本拠とする世界的な大手電化製品メーカーであるElectroluxの北欧地域マーケティングおよびブランド責任者であるJohn Anderson氏に話を伺いました。

 


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Electrolux社が2020年度のマーケティング戦略で焦点をあてていることは?

2020年に重要視していることは、数週間前にクロスチャネルキャンペーンとして始まったElectroluxブランドのポジショニングを長続きさせることです。この目的は、テイスト(嗜好)、ケア、健全性における新たな高みをインスパイアし続け、プレミアムかつサステナブルな人間主体のブランドプラットフォームで消費者を魅了することです。そこで訴求したい消費者にリーチするためにデータドリブンなアプローチを導入しました。過去に持っていた適切なサービスを提供してさえいればいつ・誰にでもリーチできるという思い込みを変え、今では当社の最大の強みにフォーカスし、ブランドに共鳴してくれる適切なオーディエンスを見つけて彼らと関わり合うことが重要だと考えています。

2020年のもう1つの目標は、オーナーシップエクスペリエンスの取り組みを加速させることです。購入後に消費者のアフターケアを行わないことほどブランドの評判を落とすものは他にはありません。ですので、CRMとロイヤリティプログラムは、顧客とのLTV(ライフタイムバリュー)を構築するのに重点的な分野となるでしょう。

マーケティング戦略の立案はどのように行っていますか(1年ごと、2年ごと、四半期ごと)?その際にどのような点に重点を置いていますか?

まず、5〜7年先を見越して大まかなビジョンを作り、それを年ごとのブロック単位で分類します。2020年は、当社のすべてのステークホルダーとパートナー、何よりもまず消費者を引き込めるように、より精査されたレベルで計画が練られています。

プロセスとテクノロジーは、マーケティング戦略を計画する基本的な要素です。エンドツーエンドプロセス(コンシューマージャーニーの始まりと終わりによる無限ループ)の必要性を確立することから始めます。当社では、消費者が新しい食器洗浄機について検討を始めたとき、故障後のサポートが必要になったときを想定して、ジャーニーのステップを形成します。当社のマーケティング戦略は、このようなカスタマージャーニーをサポートする必要があると考えていますので、戦略を効率的に実行するためにテクノロジーを活用しています。

マーケティング部門にとって、もっとも重要なKPIは何ですか? そして、そのKPIをどのように測定していますか?

当社はブランドジャーニーに注力していますので、年間を通じてさまざまなデータポイントを追跡し、ブランドの健全性を測定しています。そして、ファネルの最上層から下層まで、独自のチャネルとリテール、さらには主要顧客を経由したコンバージョンまでのカスタマージャーニーを綿密に追跡し、それに応じて最適化を行っています。ここで、成功のカギとなるのは、パートナーシップの透明性とデータの2つです。収集可能なデータが多ければ多いほど、商業的な契機を生み出しやすくなるからです。

マーケティング部門が効率的に機能していることをどのように確認していますか? キャンペーンの企画と実施を合理化するためのツールまたはプロセスを取り入れていますか。

私たちの組織は、カスタマージャーニーのさまざまな段階に対応できるように分割してチームを構成しています。6〜7カ月前にはデジタルチームとアクティベーションチームが存在しましたが、両チームが相互依存をしていたため、1つに合併させました。当社は現在、デジタル上でブランドを活性化させていますがその逆も然りです。

最初の12〜18カ月は、複数の能力を備えた1つの有機体へと変化させ、試行錯誤を経て成功するまで、過剰なまでにコミュニケーションを行う高性能なチームを構築するための労力を注ぎました。体制が整えば、チーム全員が効率的で協調的に仕事ができるようになるからです。とはいえ、Electroluxをはじめとする大企業のほとんどが、非常に数多くの承認プロセスを持っていることに注意しなくてはなりません。気がついた時には、すべての承認が通る前にキャンペーンが終了してしまったということになりかねませんから。当社、そしてその他の大企業では迅速かつ一貫性を持って行動することが求められますが、すべてが完全に完璧でなければならない場合、一貫性が障害とならないよう務めるべきです。

また、Microsoft Teamsのようなツールで必要事項を見過ごさないようにしていますが、今後、すべてのコンテンツと素材を処理する単一ハブのソリューションを追加したいと考えています。追加するまでは、さまざまなデータストリームを合成する適切な人材を配置します。

マーケティングテクノロジーをソーシングする際にもっとも重要な機能、特性、サービスは何ですか?

オートメーションとAI機能に関しては、eコマースの成長に伴い、既存業務の一部を簡略化するために検証しています。現段階では、Webプラットフォームで発生するバグとエラーの検出は手動、または消費者主導で行われていますが、この状態は最適だとは言えません。デジタルが優位になり、消費者がパーソナライズされたエクスペリエンスを期待するようになって初めて、高度なAIの利用が普及するでしょう。

マーケティングテクノロジーのソーシングにおける2つ目の要素は、うまく実装・実施することです。デジタルトランスフォーメーションに着手するという上層部からの指令があると助けになりますが、それを推進し、より広範なチームのトレーニングに重点を置くのはマーケティングリーダー次第です。それだけでなく、実装・実施することで解決される問題点と、新しいテクノロジーが起因となって実現する成功をシェアすることも重要です。

2020年、マーケティングリーダーたちに伝えたいヒントはありますか?

戦略とマーケティングツールは無限にソリューションが存在しますが、圧倒されるようなことではありません。テクノロジーが成長を促すかどうかを理解し、可能なのであれば、それはマーケティング側が、営業部(大抵の企業において)と同様に、推進していくべきです。

リーダーとして自分の強みを知り、それを活用してチームメンバーの強みを補完し、完璧で有能なマーケティング部門を構築してください。重要なのは、1つまたは2つのコアとなる方策に焦点をあて、長期的に組織全体をまとめあげることです(過剰なくらいのコミュニケーションをとるなど)。そのためには、従業員と消費者の両方にインスピレーションを与えるビジョンを設定してください。そしてビジョンとそれを実現するための取り組みを、ステークホルダーや社内で耳を傾けてくれる多くの人たちにも拡散にしましょう。

 

Marta RipollはNewsCredのセールスディレクターです。

 

元記事「Q+A: What’s Top of Mind for Marketing Leaders in 2020?」2019年4月10日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事は、NewsCred BlogのMarta Ripollにより執筆され、NewsCredのパブリッシャー・ネットワークを通じてライセンス化されたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、legal@newscred.comまでお願いいたします。

 

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