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Man hands holding movie clapper.Man hands holding movie clapper.

大手ブランドはなぜストーリーテリングで映画製作者の視点を取り入れるのか

4年目を迎える「Tribeca Film Festival」の「Tribeca X Award」は、広告とストーリーテリングの共通項を賞賛するために開催されています。過去数年間にわたり、この賞はブランドが支援する最高のコンテンツに授与されてきましたが、今年のプログラムでは、長編映画、短編映画、エピソード、そしてVRの4つのカテゴリが設けられました。

さらに、本フェスティバルでは「Tribeca X: A Day of Conversations」を発表。同イベントでは、クリエイティブな面々と業界の専門家を集め、ブランドコンテンツについて議論する基調講演とパネルが開催されました。

Procter&Gambleの最高ブランド責任者であるMarc Pritchard氏は、「映画制作は既知の物事に完全に違う創造的な視点をもたらしてくれます」と述べています。そして、「弊社は広告業界がこれまでに経験してきた中で、創造性の最大な革命の1つに差し掛かっています」と付け加えました。

Patagoniaの創設者で、「Tribeca X」のファイナリスト、そして「Artifishal(アーティッシャル):絶滅への道は、善意で敷き詰められている」のエグゼクティブプロデューサーでもあるYvon Chouinard氏は、企業はドキュメンタリーでお金を稼ぐのは難しいが、フィルムは「人々の感情を引き出す最良の方法」だと説明しています。

感情への訴求は、視聴者を長編形式のコンテンツに惹きつける重要な要素であり、ストーリーを伝えたいと望むマーケターの懸念点でもあります。関心が広がり、広告が徐々により短くなっている昨今において、長編コンテンツに進出することは手ごわいもので、直感に反しているように思えるかもしれません。ただし、より深みを追求するストーリーは数多く存在しています。

「消費者の感情と繋がることができれば、ストーリーを伝える時間を増やすことができます」と、Anheuser-Buschのプレミアムマーケティング兼スーパープレミアムマーケティングのVPであるPeter Van Overstraeten氏は述べています。

感情に訴えるストーリーテリングの一例には、エピソードカテゴリーで「Tribeca X Award」を受賞したHPによる「History of Memory」が挙げられます。このシリーズは、「プリントされた写真が私たちの生活を変化させる力を称賛する」4編のユニークな短編ドキュメンタリーで構成されています。

HPのブランドジャーナリズムの責任者であるAngela Matusik氏は、「誰もが自分の本質を定義するのに本当に役立つプリントを持っている。それこそ正に私たちが本シリーズで探求したことなのです」と述べています。「当ブランドの公約は、テクノロジーで世界を改善することであり、ストーリーテリング、とくにフィルムについて考えると、本質的に役立っています」と彼女は語りました。

HPの新たな「Brand Journalism」ユニットは、ブランドのストーリーテリングにジャーナリズムの品質と倫理を取り入れることに焦点を当てています。「私たちは、素晴らしいナラティヴの専門家であり、強力な力を持つアーティストと協力しながら、世界クラスのストーリーテリングを通して視聴者とのコミュニケーション方法を変えていきたいと考えています」と、MatusikはAdweekに語ってくれました。

この種の戦略的な変更は、まったく異なるアプローチが必要になります。「私たちは人々のために台本を書いている訳ではなく、大手代理店を使ったり、大規模なキャスティングコールを行ったりしていません。これはブランドを介してオーディエンスとつながる従来の方法ではありませんが、アイデアとしては、コアとなる一部の人々にもとづくものです。あなたがそのフィルムを観て即座に反応したなら、それは感情的な反応が起きたということです」。

Matusik氏によると、こうしたコンテンツの必要性は、消費者がより意味のあるものを探求している行動の変化に起因します。「フィルムを鑑賞した後にたくさんの人が私たちのところへ来て、とても大切な写真にまつわるストーリーを教えてくれました。こうした瞬間的に起こる情動反応こそ、私が長編物語から得られるものです」。

このようなプロジェクトによる影響は従来の指標で測定することができません。一般的なリーチとエンゲージメントの指標に加え、コールトゥアクションを促すフレーズを導入することで、影響力の測定が明確になります。 請願書への署名、大義への啓発、非営利団体への寄付など、オーディエンスに対して具体的な行動を明示することで、ブランドの取り組みが単なる視覚表現以上の価値を帯びるようになるのです。

HPの場合、データ会社のKnotchと提携して、オーディエンスがエピソードを視聴した後の調査を行っています。「ブランドにとって重要なのは、ストーリーテリングによる影響を長期的な勝利に向けた施策として測定できるようにすることです」と、Matusik氏は言います。

飛躍を望むマーケターに、Matusik氏から重要なアドバイスがいくつかあります。 「まず、自分に『オーディエンスの時間を尊重しているだろうか。有意義で視聴する価値のあるものを提供しているだろうか』と問いかけてみてください」。

どのように達成するかという問いに対して、Matusik氏は、「決定的な物語の横糸で別のストーリーを見出すこと」だと語ります。「ドキュメンタリーには、始まり、中間、そして終わりがあり、感情的なレベルで突き刺さっていきます」。Matusik氏は、自身の目標をしっかりと理解し、コラボレーションするクリエイティブを検索する際にガイドとして使用すべきだと強調します。

「今、クリエイティブとブランド間で本当に刺激的なパートナーシップが発生していると思います」。

 

この記事は、AdweekのNick Gardnerが執筆し、NewsCredのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

元記事「Why Big Brands Are Using a Filmmaker’s Perspective to Tell Their Stories」は2019年6月4日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

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